【盛岡地域地場産業振興センターだより】平成20年2月        

 〈人材育成事業〉ジバ・デザインプレナー塾とM-color's〉


【デザイン力のある地場産業後継者を目指して】

地場産業振興センターが、デザインや商品企画を学びたい強い希望を持つデザイン塾の塾生を募集したのは平成15年度のこと。国・県から「地域人材確保・育成事業補助金」を受てのスタートでした。

当時、応募して塾に迎え入れられたのは20代から50代まで。工芸の分野は鋳造・彫金・木工・家具・織物・洋服など様々な分野からの男女16名でした。

デザイン塾は、起業意識を持ったデザイン・企画グループを目ざし「ジバ・デザインプレナー塾」と命名され、塾長には金工や漆工デザインで著名な、(株)ジバコ代表の塚本尚司氏が就任。マーケティング講師には、盛岡における地場産品のマーケティング実績の豊富な有限会社エムアイシー代表である吉田博氏(現新潟国際情報大学准教授)を迎えました。

【独自ブランドの立ち上げ】

今年度で5年目となるジバ・デザインプレナー塾ですが、15年度から約2年間は、塚本塾長を迎えての「酒」や「炭」をテーマとした商品開発をはじめ、岩手県工業技術センターの協力によるコンピュータグラフィックによるデザインや専門家によるマーケティングセミナーなど、数多くの講座を開催してきました。

その後、平成17年度はいよいよテーマに沿った実際の製品作りをスタートし、特にも塾生の大半を占めていた南部鉄器業界の技術後継者を主体とする商品企画集団の色合いを強めて行きました。

そのような、経緯から地場産センターの事業担当者は「塾は学ぶ時の組織。売るためには独自ブランドが必要」と塾生に投げかけ、塾生自らが企画・考案したブランド名がM-color's(エムカラーズ)だったのです。

【M-color'sの活躍】

現在、若手デザイン企画集団。M-color'sのメンバーとして名を連ねているのは、南部鉄器協同組合青年部員の大半と鋳造を学んできた女性や、シルバーアクセサリー作家などの十数名。

盛岡(Morioka)で物づくりをする塾生。その各々に”個性”=”色”(color)があるとして名付けたM-color'sは自らの技術だけでなく、陶芸家や漆芸家とのコラボレーションを積極的に行い、平成18年度から20年度には中小企業基盤整備機構主催「和のある暮らしのカタチ展」において二年連続で”和の作り手50選”に選出され、東京都のリビングセンターOZONEを会場とした展示会に出展いたしました。

「和のある暮らしのカタチ展」は現代の生活に提案する伝統工芸がテーマであり、18年度の展示会では現代の住環境で鉄器の原点である炭使いを実現させるための「炭語りシリーズ・平成七輪」が全国50選の中でもベスト5件が選ばれる審査員特別賞を受賞し、全国にアピールすることができました。

平成19年度は入賞こそできませんでしたが、全国から100件を超える出展申込の中で岩手県からはただ1件の選出で出展し、鉄器と漆器の融合を図った酒器やつる職人の鍛造技術を活かした器の提案を行い、高い評価を得ることができました。

【M-color'sへの注目と影響】

先に記した「和のある暮らしのカタチ展」においては、主催者である中小企業基盤整備機構の理事長も展示ブースを訪れ、「盛岡地域地場産業振興センターのような支援機関が地場産業ブランドを主宰しての選出は他には例が無く、伝統工芸品産業の振興策においてはモデルとなる。」との評価をいただくとともに、中小機構が東京・表参道に計画中のアンテナショップに展示してほしいという誘いもいただくことができました。

また、近年岩手県においても県北における漆の里づくり計画、盛岡地域での工芸品振興施策の策定、県南での異業種による若手技術後継者グループづくり等、伝統工芸品振興の気運が高まっていますが、そのいずれにも地場産センターの担当職員やデザイン塾の塾生が委員として助言を求められたり、振興計画のモデルになるなどの位置づけと評価を得ています。

【これからのデザイン塾とM-color'sブランド展開】

年々、着実に前進してきたデザイン塾とブランド開発事業。平成20年には盛岡市の支援も受けることもほぼ決まり、前述の東京・表参道アンテナショップへの出展・販売をはじめ、新たなM-color'sブランド商品の開発とともに、広く全国や海外までを見据えた販売体制の確立を進める予定です。

また、ジバ・デザインプレナー塾も新たな塾生を迎え入れ、盛岡地域における工芸振興を継続しようと計画を進めています。





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